ドライブ中に通りがかった畑で1人黙々と機械を押して作業していたおばあちゃん。
道路から思いっきり手を振って大声で呼びかけ
片手にカメラ、そしてカメラを指差し「撮っていいですか」のジェスチャーをしてみた。
当然、機械の音でおばあちゃんには私の声は届いてなくて
でも手を振ってカメラを振ってる変な女には気づいてくれた。
機械を止め歩み寄ってきてくれたので私も恐る恐る畑の方へ近づく。
「あらー、なに?どうしたの??」
「おばあちゃんの作業している風景を撮らせてもらいたいんです」って再度カメラを見せてみる。
あらまぁ〜って顔を帽子の下から覗かせながら思わず笑いあう。
笑顔で話ができるタイミングって大事だと思ってる。
それだけで人の心は柔らかくなる。
「でも、こんな汚い格好だしやぁだぁ〜〜〜あははー」と自分の足元まで眺めてる。
「そのままがいいんです!そのまま撮らせてもらえませんか?中には入りませんし邪魔にならないようにしますから、少しだけ、お願いします。」
もぉやだぁよぉ〜って笑いながら機械の元へ戻るおばあちゃん。
これはおっけーなんだと理解してカメラを構えた。
ファインダー越しに見える風景。
黄金色の稲穂の向こうに、おばあちゃんが機械を押しながらまっすぐに歩いていく。小さい畑だからおばあちゃんの自宅用の分しか作ってないのかもしれない。
それでもあの小さい機械で1人で全部刈るのは大変な作業だろうな。
そう思いながらシャッターを切っていたらふと、北海道にいるおばあちゃんを思い出した。
私の祖母も農家でお米を作ってた。もちろん今はもう高齢だから作ってないけれど、私が小さい頃はよく畑や田んぼ作業の時に連れてってもらって遊んでた。
瞬間的に懐かしい記憶と風が蘇ってきて思わず涙腺がゆるんだけれど、1人感傷にふけってあまり長居をしては、おばあちゃんの邪魔になる。
そこからまた数枚撮らせてもらった時、機械を押して行ったり来たりしてるおばあちゃんがこっちへ戻ってきた。
右手でカメラを振って左手でカメラを指差す。
機械の音で聞こえるかわからないけど大きな声で「ありがとうございました!!」っと叫んで何度もお辞儀した。
おばあちゃんも何度もうなずいてくれて手を振ってくれた。
忙しい時にいきなり現れたへんな女に対応してくれてありがとうおばあちゃん。
畑から道路へ戻る途中も年々ゆるんできてる涙腺が緩むのをこらえながら歩いた。
そろそろ北海道のおばあちゃんにも会いに行かなきゃ。肩でももんでこようかな。たくさん話ができるだろうか。
ほんの短い時間でなんだか嬉しく切ない気持ちになったけど、心揺さぶられたので
このタイミングで久しぶりにブログを書いてみた。
2017/09/11 撮影
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