旧吾妻線と八ッ場ダム




前回と同じ不動滝のすぐ近く「不動大橋」から撮った風景。
奥に見えているのは「八ッ場大橋」

その向こうに「八ッ場ダム」の建設工事が進んでいます。
*「八ッ場」と書いて「ヤンバ」と読みます


ダム工事が進んでいるということで目指していた吾妻渓谷には一般車は進入禁止。徒歩なら行けるようですが、なにせ相変わらずの前日から寝てない。


無理せず諦めたんですが…帰ってきてからこの渓谷のことを調べているうちに、うずうずするものを見つけてしまって。
(結果的にはもう行けない場所なのでどうしようもないんですが…)


まずは上の写真を見ていただいて。
で、真ん中右寄りに見えている大きな橋(八ッ場大橋)の向こうにはダムの堤防ができる予定です。橋の向こうから手前側、写真の下あたりはダムが完成したら水没する予定の場所なのです。

見えている「八ッ場大橋」や撮影している「不動大橋」はダム建設を見越してできた新しい橋で、ダムが完成すると湖面からの高さ30mだそう。

今は目が眩む高さの物凄く大きな橋に見えるけれど、水が入ったらそれほど高さを感じなくなりますね…。

八ッ場ダムは2020年完成予定なので、それまでしかこの景色は見れません。
で、工事が入る前はどんなだったんだろう?とストリートビューを見てみたら



2012年の画像なのにだいぶ違う…!撮ってる位置や季節が違うから葉っぱの多さが違うにしても、奥の橋から撮影場所までの自然いっぱい感が違うような。

で、先日撮ってきた写真とストリートビューを見比べること数分。
あれ?なんかある。



わかりづらいですが赤丸の中に


鉄橋のようなものが。
ふたたびGoogle先生にお世話になります。ストリートビューって素晴らしい☆

https://goo.gl/maps/utWs82tMCno

うわお。これも2012年なので八ッ場大橋がまだ完成してない…!

じゃなくて、見えていた鉄橋はどうやら「旧吾妻線」の鉄橋のようです。
あああ、古いもの好きにはなんともたまらないサビ感…!


この旧吾妻線は2014年9月24日で終了し、ここより南側の高台に敷かれた新線にて現在は走行しています。

そんなに古くはない廃線ですが、長閑な風景の中を走っていたんだろうなぁと。
もう乗れない、と思うと無性に悔しくなるのはエゴですかね(笑
後悔先に立たず。


また、吾妻線には「日本一短いトンネル」として樽沢トンネル(長さ7.2m)がありました。このトンネルは水没予定地からは外れていて現在もそのまま残っています。(写真はない)




この写真でも中央右寄りに旧吾妻線の線路が確認できます。
(不動大橋より撮影)

ただ見えている道はすでに通行不可能になってます。

グーグルマップでナビを見ている時は普通に道があるようになっていて、なのになぜ行けないのか最初不思議だったんですが、ダム工事がすでに進んでたんですねぇ…。

線路は撤去されることなく、このままダムの湖底に沈んでいくと思います。


ダムの湖底に沈む場所を見たのは記憶では二回目。
一つ目は北海道の滝里ダム(1999年建設)

通りかかった頃はまだダムの湖底になる部分を走ってた時だったんですが、高台にすでに新しい道路が着手されていて「なぜにあんな高いところに道路が??」と思ったのです。
ダムができるんだと教えてもらい、現在の見ている風景が水の底に沈むのかとなんだか不思議な感じがしました。


もちろん当時はまだカメラも持っていない頃で、記憶の中にしか映像は残ってないですが切ないくらい長閑な田舎町だったと記憶してます。機会があったらダム管理所の資料を見に行ってみたい。


そしてダム完成後の数年経ってから訪れた際に「あ!あの場所か!」と水でいっぱいになってる昔の光景を全く予測できない風景を見てなんだか呆然としたのを覚えてます。


あの風景はもう見れないんだなぁ…と思うとこの風景も(だいぶ工事進んでるけど)水没したらもう2度と見れないなと。

一抹の寂しさとでも今後関東の大事な水瓶として活躍するんだろうな、と複雑な気分でした。


ちなみに現在も車で行けるとこに「吾妻峡橋」というのがあります。吾妻渓谷のちょっと下流寄り。

ここはダム予定地には含まれていないので水没することはないですが、きっと川の流れやまわりの緑は変化する時が来るのだろうな、と…記念に載せておきます。


渋川方面に向かって撮影


ダム予定地方面に向いて撮影



ここをダム予定地に入れないでくれたのがせめてもの救い。










2017/11/05 撮影





コメント