バスの輝きは運転手さんの誇り
観光バスは車体が大きく車高が低いので急カーブで高低差が大きいと下を擦る事があります…
↓こーゆう場所とか
初めてここを通った時。運転手さんの感覚なのでわからないですが、普通にいける!とそのまま軽く曲がったらしく、ガガガッ…!
あっ。
切り返しが必要な程ではなかったのでそのまま通過。曲がった先に目指す見学場所があったので駐車場に止めて見てみると、あー。下も擦ったのはそれほどでもないけれどドアの下の方へこんでる…(金具がない部分といいますか。軽くぶつけたような凹み具合)
バスの車体の輝き具合は運転手さんの誇りなのです。毎日朝昼晩とピカピカに磨いてますから。
なので擦った瞬間、運転手さんのテンションがダダ落ちです。
気持ちはわかりますがダダ落ちすぎてその後の行程に支障をきたしても大変なので、まぁそんな時は雑談でなんとか盛り上げようと必死で頑張りますw
せめてもの救いはここだと美味しいものが食べられる!
そうここは日本の「最北限*の地」がある礼文島。ウニとかウニとかウニとか美味しいものがいっぱいです。(もちろん他にも美味しいものがたくさんあります笑)
ちなみに昔ウニが食べれなかった私でもここでウニを食べてから食べれるようになりました。そうやって口が肥えてったわけで…って話が逸れました。
車体を軽く擦った。なんかドアの下の方凹んだ。でも走行に支障はない。
これならお客様が降りた後にでも近くの整備工場へ行って叩いてすぐ直してもらえます。
この時は次の日に札幌まで戻ってツアー終了だったので、お客様が下車した後、工場へ直行して無事直りました。
(無事直ったというか裏からボコボコ叩いてとりあえず平面になった、ぐらいです笑。細かい整備は自社に戻ってから完了です)
ガラスやら本体に大きな支障がなかったのがなによりです^^;
*「最北限」の地・・・「最北端」は宗谷岬です。
スコトン岬(礼文島)北緯45度30分00秒
宗谷岬(稚内市)北緯45度31分14秒
風圧耐えられる…?
いつものように広い北海道内を高速を走って移動中、お客様の方を向いて案内をしている時にお客さんが「あっ!!」「…!」(言葉になってないけど表情がこわばる)っと異様な空気を感じて後ろを振り向くと前には特に何もありません。(なんだろ??)っと一応運転手さんに声をかけると「ミラーやられた」
えっ。
見ると左側のミラーが風に揺られてぷらーんぷらーん…
危険な運転をして走行車線から追い抜いてったトラックに左のミラーが接触してました。
完全にぶら下がって風に煽られてる状態になってしまっているので、運転手さんはおろか、ステップに立ってる私にも見えません…左方向目視が出来ない。
急遽次のパーキングエリアに止まってお客様には「トイレ休憩しまーす」っと言いながら添乗員さんも心配そうに出てきて確認。すぐ直せないしそんな道具も部品もない…
どうしよう??って思ってたらそこに顔見知りの別会社の運転手さんが。結構ドライバーさん達の仲間意識は強いのです。「おー、久しぶり~~!なに、今日はどこ行く…あれ。どーしたのこれ」っとほんとに首の皮一枚の状態でつながってる左のミラーを見て即座に自分のバスに戻ると何か手にして戻ってきました。なんかわかんないけど心強い!!
って思ったら手にしてたのは黒のビニールテープ。
こちらの運転手さんと2人で脚立に乗りミラーの根元をぐーるぐーる
ぽかんと見守る私と添乗員さん。
「よし、これでおーけーだ」「よし」
運転手さんは2人でうなづいてますが、え、それでいいの?!いや今はそれしか出来ないのか…
ありがとうございます!とお礼を伝えパーキングを出発。骨折したけど添え木もできず強めに包帯巻いてるだけのような状態なので、当然スピードは出せず通常よりさらに緩く運行。案内をしていない時間だったのでステップで高速の風に揺られるミラーをずっとハラハラしながら眺めてたわけです。いつ飛んでいくのかと心配で…案内してたとしても気が気がじゃなかったと思います^^;
これもその日の泊まりの場所近くで工場を探し、直行して応急処置してもらいました。
しかしあのトラック…くぅ。みなさん安全運転お願いします…。
初の他社運転手さんとコンビ
一番ひどかったのは、と言ってもこうして記事に書けるぐらいなので人的に被害はなかったのですが。
団体のお客様でバスが2台連行の時のこと、私は2台目に乗っていました。
温泉地で一泊し、翌朝「さぁ出発!」っとホテルを出てすぐです。出発したばかりで幹事の方が朝の挨拶を車内でし始めた時なので私はステップに立ってました。
前を走っていた1台目のバスが右折車のためか、路上駐車がいてかわそうとしてたのか(詳しく覚えてないです^^;)停車。そこに私が乗っているバスがどんどん近づき…近づき…近づ…
えっ、っと思った時にはドーーン!!っと。
立って話していた幹事の方はガイドが使う背もたれに寄りかかっていたので前に飛んでくることもなく(背もたれなしだったらバランスを崩して前方まで飛んできた可能性もあります)
私の背後にあった棚の上のカセットテープが私の頭部に落下。運転手さんの目の前のガラスはヒビだらけで一部に穴も開いてる。
ベテランの運転手さん曰く、「ブレーキが抜けた状態で踏んでも効かなかった」「左手には湖があったから左には逃げられないけど右に逃げれば対向車が来るかもしれない、と慌てて若干左に逃げた」(リアルに書くと「左行ったら湖だしよ、右さ行ったら車くるべ??どーすっかなって慌てたっけ俺んとこぶつけるしかなかったもんなぁ~」です)左手には湖があったけどその手前に歩道があったのでそこへ乗り上げた形です。歩行者もいなくてよかった。
この咄嗟の判断すごいなぁ…って思いました。
ただ出発したばかりでまだスピードも出ていなかったので車体自体に大きな凹みや歪みはないし、お客様乗務員ともに怪我もなく被害はフロントガラスだけ。本当に不幸中の幸いでした。
ただこのまま運行は出来ないのでお客様には1台目のバスに移ってもらい、(1号車には衝撃はあったものの、怪我や車体への異常はなかった)とりあえず1つ目の目的地へ先に進んでもらいました。
大きなバス会社でしたらすぐ空いてるバスを手配したかも知れませんが、そんなに余裕のある会社ではなかったので。会社へ連絡→他社へ応援申請→合流に時間かかるのでとりあえず次の目的地へ先にお客様を移動、でした
残されたのは運転手さんと私とフロントガラスがひび割れたバス一台。先ほど出てきたばかりのホテルへ戻り、ワケを話して駐車場に停めさせてもらいました。
この運転手さんはアマチュア無線機を積んでいたのでそこから他のドライバーへ連絡を取りつつ、会社へ電話してくる、と1人ホテル内へ。バス車内に私1人になった時に無線機から声がしました。
「Aさん大丈夫か??」別のところで待機中だった同僚の運転手Bさんの声です。
思わずマイクを持って答えました。
カチッ「今Aさん会社へ電話しにホテル内に行ってますー」カチッ
父親がずっとアマチュア無線をやってたので、見よう見まねで使い方を覚えてたのが思わぬとこで役に立ちました笑
「えっ。はるともか!!笑 なによ、ぶつけたって?怪我とかは?Aさんも無事??」カチッ「うん、私たちもお客さんも怪我はなかったよー。ただ結構ガラスヒビ入って割れちゃっててー」カチッ「自走できるのか??」カチッ「うーん、車体は大丈夫だけどガラスが小さいけど穴開いちゃってるし…会社まで戻れないんじゃないかなぁ」(現場から会社まで225km)カチッ「あー、じゃあ○○辺りで自工に入れんのかなぁ」
なんて会話をしてたら運転手さんが戻ってきてBさんに報告。
カチッ「俺とりあえず会社まで戻るからー」「うん、(会社が)走って帰ってこいってよ笑」
ええぇまじですか…!笑 運転手さんおもむろにビニールテープやらダンボールやらを出しとりあえず運転席前のガラスが崩れてこないよう保護。
(観光バスは一番前のガラスが大きく割れにくくはなってるので、ヒビはいっぱいで小さな穴は開いてたけれど大きく崩れてはいませんでした。このガラス交換ってたしか50万ぐらいだったよーな…)
私は会社が手配した別会社の応援のバスに乗り、予定通り巡っている1台目のバスを追いかけます。
なのでここで運転手さんとはお別れ。「本当に気をつけてくださいねー!ゆっくりとー!」って声をかけて。大きな事故でもなく被害もなかったので運転手Aさんは終始笑ってましたが、今思えばたぶん安心させようとしてくれてたんでしょう。
その後私は1台目のバスと合流し、慣れない別会社の運転手さんと緊張しながらなんとかコミュニケーションとりつつ、ツアーは終了。(この運転手さんも緊張していたらしく「いやー、俺慣れないもんだから時間の読み方*間違えたわ~」って無線で同僚に報告してました笑)運転手Aさんも無事車庫まで戻れてました。追突した時にスピードが出てなくて本当よかった。
ビックリはしたけれど誰も怪我なく無事終われたので後日会った運転手Bさんに「まさかお前が無線で答えるとは思わなかったわ~~笑」「びっくりしたけど使えるんだな!笑」て笑われました。
*…案内してる途中に運転手さんに「○○着は何時頃ですか??」って聞くことがあります。そこで運転手さんが「だいたい○時頃だね~」とか教えてくれるのです。
*…ブレーキの効き方に癖がある車両だったそうです。前日から運転手Aさんも気をつけていたようですが普段乗り慣れない車両だったので二日目の朝につい油断して起きてしまったようでした。もちろんこれ以降この車両は廃車になりました。