初めてのお仕事


一番最初のお仕事

初仕事。入社した私に待っていた初めての仕事はゴールデンウィークの桜見学ツアー。
北海道日高町静内にある「二十間道路」がメインのツアーです。
道路の幅が二十間=36mあってその両脇に桜並木があり、それが直線で約7km続きます。
まわりは牧場なので見晴らしがよく、道内外から見にくる人が多くて桜の時期はかなり賑わう場所です。

新ひだか観光協会HPより
http://shinhidaka.hokkai.jp/kankoukyoukai/nizyukken/douro.html



前日までに分厚い案内原稿の中から道程に該当する原稿を読む。何回も何回も。
道中の案内がいかにも「説明文」って感じで長い…!えぇこれ読むの。聞いてくれるのかな…。
読んでる私がつまんないと感じるものをお客さんが聞いてくれるんだろうか。

そんな不安を感じつつ当日を迎える。
お客さんの乗車場所で添乗員さんと合流。挨拶をして一日の流れを確認する。
若い女の人だぁ。よくよく聞くと添乗員さんも新人さんで、こういった日帰りの比較的近場のツアーなんかは最初の登竜門らしい。私と一緒ですねーと妙な安堵感がうまれる。

京極町ふきあげ公園


お客さんも全員揃い、札幌駅近くの旅行会社から出発。
案内するのはもちろんベテランガイドさん。そしてベテラン運転手さんとともに。
私は乗り降りするステップのところで原稿片手に立ちながら、ガイドの案内に耳を傾ける。
あとは曲がる時の左方向確認が主なお仕事。

そうするとたまに信号待ちで隣に止まった車の運転手さんと目が合う。
見られる。めっちゃ見られる…。えっと、えっと…ニコッ(とりあえず笑顔)
それどころじゃない、私は先輩の話を聞かないと。しばらく流暢な案内が続いた後、先輩が突然言った。
「今日は新人ガイドが乗ってるので皆さん少し聞いてあげてくださいねー♪」

え。。なんですとぉぉすっかり油断してた!!
ってか今どこ?ここどこですか!原稿の何ページ?!えっとまずはなにから話せば…!

先輩の案内を聞いてたくせに一瞬ですべてが吹き飛んで真っ白に。

「新人で緊張してますからね~ほらここよー(原稿のページを指して教えてくれる)さぁ皆さん、私のしゃがれた声と違って若い子の美声も聞いてくださいね~今日は2度美味しいですよぉ♪」
軽く車内で笑いが起きる。空気が和んでてお客さんの笑顔がこっちを向いてる。
「あぁ凄いなぁ…」って思った。
ド緊張してる私がつられて顔が綻んで、なんとか一言目を発せた。一言目が話せればあとは勢い(笑
と言ってもひたすら原稿を間違えないように読むので精一杯。
桜並木に着く頃にはぐったりです(笑


そんないっぱいいっぱいのデビューだったけれど、降車の際には心優しいお客さんからのありがたい声援や言葉をもらって、すごく嬉しかった。と同時にまだまだ何も出来ないのに褒めてもらったりしてなんともくすぐったい気持ちになりました。

原稿はもちろん大事な案内だけど、一言一句すべてをひたすら話せばいいってもんじゃない、
お客様を楽しませるのもお仕事なんだよって教えてもらった日でした。

家に着くまでが遠足。



*一般的に桜といえば「ソメイヨシノ」ですが、北海道は主に「エゾヤマザクラ」もしくは「チシマザクラ」が多いです。
「エゾヤマザクラ」は本州では「オオヤマザクラ」と呼ばれますが、北海道の寒さのという環境で、より色濃く鮮やかに咲きます。
なので関東に来た頃は「…桜が…白い…」って思ってましたw














コメント